部下目線が必要な理由

 サーバントリーダーシップの重要なポイントは、部下目線に立つということです。なぜ部下目線が必要なのでしょうか。それは、上司と部下のバックボーンが昔と比べて明らかに違うからです。
 今、職場のマネジメントで壁にぶつかっている上司の多くは、右肩上がりのいけいけドンドンの時代を経験してきました。がんばれば報われる、とにかくがむしゃらにがんばれと教えられ、そのとおりにがんばって報われてきた世代です。ところが部下の多くは右肩下がりの時代に育ち、がんばっても報われずにきました。ポストも昇給も保証されない厳しい時代に生きています。これだけギャップの大きなそれぞれの世代が上司と部下として相対したら、摩擦が起きて当然です。多くの企業がマネジメントや人材育成で頭を悩ますのも、時代の必然でしょう。
 部下との間に大きな溝の存在を感じる上司は数多く存在します。その溝を埋めるには、上司の側から歩み寄って、部下と目線を合わせなければなりません。それが部下目線に立つということです。
 サーバントリーダーシップは、世代間ギャップで分解しそうな組織をまとめ上げるために、切に求められているのでしょう。