起業が起業を呼ぶ

 中小企業白書をわかりやすく解説したパンフレット「中小企業のライフサイクル―次世代への継承―」によると、我が国の起業に無関心な人の割合は77.3%だそうです。これは米国の3倍以上、フランスの2倍近くという異常に高い数字です。なぜこれほどに無関心なのでしょうか。
 起業家が起業に関心をもったきっかけは、「周囲の起業家・経営者の影響」が40代以下と60代以上の男性層で1位になっています。やはり身近なところにがんばっている起業家がいることが重要なのでしょう。その意味では、起業が起業を呼ぶのです。
 起業が低調であることが起業を低調にしているというのは同義反復のように聞こえますが事実でしょう。この悪循環は、インターネットを活用して起業家の成功物語を周知することで解決できると思います。変化の速い時代、先の見えない時代だからこそ、がんばる起業家の挑戦の物語を求めている人は多いはずです。
 我が国では、昔は起業家のことを実業家と呼んで尊敬していました。今は起業家と名を改めましたが、尊敬されるべき存在であることに変わりはありません。起業が起業を呼び、挑戦が挑戦を呼ぶ、元気な社会が到来することを期待しています。