見失ってはいけない公的支援の目的

 f-Biz(富士市産業支援センター)OKa-Biz(岡崎ビジネスサポートセンター)が、成果を出している支援機関ということで模範とされ、全国に「よろず支援拠点」が設置されました。f-Biz OKa-Bizも非常にがんばっておられ、能力の高いスタッフによるコンサルティングで個別の成功事例を積み上げています。しかし、追随する公的支援機関の方に注意していただきたいのは、個別の成功事例の積み上げ自体を目的とすると、大局を見失うということです。
 現状は、供給者過剰で過当競争の状態です。営業やブランディングに問題のある企業を指導して問題点を改善すれば、経営力が上がり業績は上がるでしょう。その代わり、他の企業の業績が落ちます。単なる個別企業の支援は、こうしたマッチポンプを繰り返すことになります。過去、幾多の支援策が不振に終わったのは、パイが縮小する中で一部の企業を支援したところで地域を活性化するには至らず、支援先企業も息切れしたからです。
 地域を活性化するには、本当は何が必要なのか。この大局観をもって、個別企業の支援にあたっていただきたいと思います。