山田錦発祥の地で米粉のイチゴタルトを売る農家系ケーキ店

 1月27日、兵庫県多可町にケーキ店「いちご工舎」がオープンしました。店舗の隣にある自分の畑で採れたイチゴと、地元産の山田錦米粉を使ったタルトなどを販売します。多可町は酒米の王様である山田錦発祥の地で、その米粉を材料にしたタルトは「いちご工舎」の看板商品です。

 このケーキ店を経営するのは、愛知県から移住してきた山本貴大さん。イチゴ農家になることを夢見て、米を最高においしくする水が流れる多可町に魅力を感じて、移住してきました。移住前は、ケーキ店を併設したイチゴ狩り農園に6年勤務し、ケーキ作りとイチゴ栽培のノウハウを身に付け、自分で事業を始めたいと考えていました。愛知県内で開業しては勤務先と競合すると思い、奥さんの実家に近く、水がきれいで子育て支援策が充実している兵庫県多可町に移住してきました。

 移住後は地元の農家の方たちから暖かく迎えられ、無農薬で作った山田錦米粉を分けてもらえました。イチゴは自家製です。地元の特産品を合わせて看板商品となる米粉のイチゴタルトが完成しました。

 応援してくれた町の人たちに恩返しするために「多可町の手土産品はこれ」と言われる商品を作りたいと意気込む山本さん。「いちご工舎」のタルトが名産品になる日が早くやってくることを期待しています。