中小企業白書・小規模企業白書が発表

 4月22日に、2016年版の中小企業白書小規模企業白書が発表されました。
 中小企業白書は「経営者が理念を明示し、金融機関等外部専門家と連携しながら、現場の意見を聴いて組織的な経営を行い、成長投資と新陳代謝を進め、稼ぐ力を向上させていくことが重要」と結論づけ、重要なポイントとして「IT投資、海外展開、リスクマネジメントで稼ぐ力を高めること」、「金融機関からの借入で老朽化した設備を更新すること」「金融機関は他の支援機関と連携して事業性評価に基づいた融資を行うこと」「中小企業は事業計画を金融機関に積極的に伝えること」を挙げています。
 小規模企業白書は、個人事業者の廃業が進んでいること、小規模企業の高齢化が進みながら人材育成の取組が遅れていること、経営計画の策定に約半数が取り組んでいないことを上げ、商工会などによる経営計画策定や補助金受給支援の取組み、良好事例の紹介が記されています。P322には、鳥取県西部商工会産業支援センターが支援した(有)中の原銀嶺(大山町)が紹介されています。大山スキー場のそばにある旅館が、新たな需要を開拓するために米子市大山蕎麦の専門店を開いて、支援センターの指導を受けながら事業を軌道に乗せた事例です。
 中規模企業、小規模企業が進むべき方向性を明確に示した白書になっています。多くの中小企業者に参考にしてほしいと思います。