産学連携で化粧品から調味料まで開発(三重県)

 大学の研究成果を社会に活かすため、大学と企業がコラボレーションする産学連携の動きが活発に進んでいます。しかし、実際に成果を上げているケースは必ずしも多くはありません。そんな中で、モノづくり王国の東海では、企業が主導する形で産学連携に成功しているケースが数多く見られます。その一つが、うれし野ラボ(株)三重県松坂市)です。
 同社は、エイジングケアを目的に三重大学と連携して保湿力の高いセラミド美容液を開発しました。「うれし野ジェル」「うれし野エッセンス」の商品名で販売されています。トウモロコシの胚芽100gに2mg(0.02%)しか含まれていないセラミドを抽出し、粒子を細かくして水溶性にして、純度100%の高品質化粧品を作り出しました。これを可能にした技術力は、親会社である食品原料メーカー辻製油(株)によって支えられています。
 うれし野ラボ(株)は、独自の技術を活かして新感覚調味料「かける生姜」「溶ける唐辛子」も開発して販売しています。生姜をふりかけ状にすることでいつでも必要な量だけ使える、唐辛子を水溶性にすることで辛みを余すことなく味わえるようにする、といった新しい使い方を提案しています。
 開発した商品は、いずれも女性への訴求力の高いものです。ビューティビジネスとしての可能性の高さがうかがえます。