売上増加には新規顧客開拓が欠かせません。しかし新規顧客を開拓する営業は簡単ではありません。既存顧客への営業と比べて5倍のコストがかかるとか、開拓まで2年はかかると覚悟せよなどと言われます。ではどうしたらよいのか。その方法が日本政策金融公庫の『経営Q&A』で紹介されています(「お金をかけなくてもお客さまが増える小さな会社の営業方法」(第3回))。
工務店を経営するA社長は、ハウスメーカーの下請けをしていましたが、元請けになることを決意し、営業活動を始めることにしました。営業対象を、自分が生まれ育った小学校区内の3,000世帯に絞り、挨拶状や、家づくりにかける自分の想いを書いた手紙をポスティングしました。売り込みの言葉は入れませんでした。すると、問い合わせが相次ぎ、A社長はあらためて自身の家づくりの想いと使命を丁寧に説明し、受注をいただくことができました。
「究極の差別化は自分の使命(ミッション)をお客さまに伝えること」と学んでいたA社長の学びが実践された瞬間でした。お客さまは「誰から買いたいか」で購入先を決めるものであり、「営業とは人を売る仕事である」と納得させられる話です。