ITパスポート取得で「高齢者の学び直しなら、これ」を実感

 シニア人材のリスキリング(学び直し)が世間で声高に言われています。しかし、何を学べばよいのでしょうか。私自身の経験から言えば、まずITパスポート試験を受験してみることをお勧めします。

 シニア人材に最も不足しているものは、IT関係の知識です。「働かないおじさん問題」が巷で騒がれていますが、それは「体力や気力がなくて働かない」のではなく、「システム化などのIT化についていけないために働けない」のが真相ではないでしょうか。この問題を解決する最適な手段が、ITパスポート試験の勉強です。ストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系と3分野を跨いで広範な知識が身につきます。ITの知識だけでなく、経営戦略やマネジメントの最新の知識も手に入るため、お得感があります。

 試験はCBT方式(Computer Based Testing)でパソコンを使って受験しますが、こうした受験方式に慣れることも、シニア世代が今の時代に追いつくためには必要です。

 私自身が還暦を過ぎてITパスポート試験に合格した今、実感しているのは「ITパスポートの勉強で、自分をバージョンアップできた」ということです。試験勉強のおかげで、フリーミアムとかハルシネーションとかの現代用語が若い職員との会話に出てきても、ついていけます。120分で100問の問題に答えるべく鍛えたおかげで、衰えていた頭の回転も勉強前より良くなりました。何より「自分はまだやれる」という自信がついたことが大きかったように思います。今は、次の挑戦について考える余裕が出てきました。

 IT化の波に立ち向かい、まず小さな成功を手に入れること。シニア人材のリスキリングはここから始まります。